情報産業とは何か? [梅棹忠夫]

情報の文明学 (中公文庫)

情報の文明学 (中公文庫)

  • 情報産業論
  • 情報業の先駆者
    • 諸子百家から歌比丘尼、坊さんから先生、宗教家、飲み屋、産業スパイまですべて情報業ともいえる
    • 共通するのは、シンボル操作の熟練者、ある意味ではシンボル技術者
  • 情報産業による技術の発展
    • マニファクチャから近代的産業化がすすんだように宗教や教育から情報産業へ
    • 産業化には、印刷および電波などの、情報記録、伝達の技術的な発展が必要

さて、インターネットをどのようにとらえるのがいいのか?
更に進化した情報産業なのか、まったく新しいものなのか?

  • 情報産業は商業か
    • 普通商品といえば物質。(外延量を持っている)しかし、情報は違う
    • 新聞も売っているのは紙ではなくて情報
    • 放送も売っているのは時間ではなく情報
    • 一定の紙または時間を情報で満たしていればそれが売れることを発見したときに商業になった。
  • 虚業としての情報産業
    • 工業的生産は、なんらかのものからなんらかのものをつくる。これは実業。
    • 情報産業のは、実質がなにもない。これは虚業
    • ただし、虚業といっても劣等感ではなく独自の世界観を持っている
    • これは、算数の実数と虚数と同じ。虚数はむなしき数でも存在しないものでもなく、実数とはまったく異なる独自の性格をもって実在する数の発見。
  • 産業史の第三階
    • 農業の時代、工業の時代、精神産業の時代
    • 1次産業と2次産業と3次産業とは違う。3次産業の多くは2次産業をサポートするものに過ぎない。

この点においても、インターネット上のコマースは2次産業の延長に過ぎないが検索は新しい可能性を見せているように思う