人間の本性とは何か?[スティーブン・ピンカー]
人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (上) (NHKブックス)
- 作者: スティーブン・ピンカー,山下篤子
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2004/08/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 8人 クリック: 69回
- この商品を含むブログ (123件) を見る
- 第五章 ブランクスレートの最後の抵抗
- 感覚から入ってくる情報を心がどのようにつかっているのかも、よくわかっていない
- 言語や社会的相互作用のための能力がいったん出来上がって動き始めると、ある種の学習は、あとで使うための情報を単に記録しているだけかもしれない
- ダイヤルの設定に似た、装置は決まっているがパラメーターは未定で、局所的な環境の変動にあわせることができるという方式も考えられる
- 普遍的で複雑な人間の本性がその一部を構成しているはずだという見解に立っている。心がひとそろいの情動や、動因や、推論と伝達の能力を備えていること、それらが通文化的な共通の論理をもっていって、消したり根本的にデザインしなおしたりするのはむずかしいこと、人類進化の歴史の中で自然淘汰によって形成されたもので、基本デザインの一部をゲノムの情報に追っていることを信じるだけの根拠があると考えている
こころの全体像は見えていなくても、その部分部分はわかってきているので徐々に全体像も明らかになるのかもしれない
- ただし、どんな理論や発見でも取り入れられるわけではない
- 生得的な神経回路を特殊化できるだけの情報がゲノムにないという科学的発見や、知られている限りのどんなメカニズムでも生得的な回路を脳の中に配線する事はできないという科学的発見がされるかもしれない
- 脳は、ほとんどどんな感覚入力のパターンでも取り込めて、どんな目的にもあるように自己を組織化できる汎用の素材でできているという発見がされるかもしれない
- 前者の発見は生得的な組織化を不可能にし、後者の発見はそれを不要にする
前者はゲーテルの不完全性原理みたいなものか。。。