イメージトレーニング中の脳

Internally simulated movement sensations during motor imagery activate cortical motor areas and the cerebellum.
Naito E, Kochiyama T, Kitada R, Nakamura S, Matsumura M, Yonekura Y, Sadato N.

 イメージトレーニングをしているときはあたかも実際に身体が動いていると経験的には思われてきたが、実際に脳の中でも体性感覚に関連する部位が実際に賦活することが示された。
 実際の実験方法としては、上へ伸ばす手首の腱を刺激するよってあたかも上向きに伸びているように錯覚させることで、自分がいざ上に上げようとするとすでにすこしあがっているので上げる幅が小さくなり、逆に下げようとすると大きく下がってしまう。つまりこれは、実際に腕が動くかどうかよりも、感覚に関する情報が脳に到達しているかが大事だということになる。
 また、PETを使った実験でもイメージトレーニングの最中には実際に運動しているときに賦活する運動野、補足運動野、運動前野、小脳などと同じ部位が活動していることが示された。

 つまり、これは個人の脳内に世の中の現実モデルを持っているということの一例であろう。
 となると、次にわからないのはどのように現実モデルを持つにいたるのだろうか?一番最初はどうするのだろう?

 また、運動においては実際の感覚情報の現実モデルなのであろうが、視覚や言語なども違った情報とはいえ、同じようなメカニズムで現実モデルをつくっていると思われるが、どのうなのだろうか?