Emulation Theory 第3章 運動表象 前編

The emulation theory of representation: motor control, imagery, and perception.
Grush R.

  • 運動におけるエミュレーション理論
    • エミュレーション理論において、カルマンゲインは運動予測や感覚誤差の分散によって決定される
      • カルマンゲインが低いとき、知覚は運動予測によって決められる(トップダウン
      • カルマンゲインが高いとき、知覚は感覚によって決められる(ボトムアップ
        • これは同一システム(エミュレーション理論)によって両方の種類の処理が可能になるということだけではなく、状況(condition,context)に応じて両方を使うことができることを示しており、柔軟性と最適性を持ち合わせることを意味する
  • 運動表象におけるエミュレーション理論
    • エミュレーション理論において、運動表象は運動のコントロールセンターが身体のエミュレーターを駆動することによって起きるといえる
      • 身体のエミュレーターへの出力なので実際の筋肉などへの出力とは区別される
      • 運動のコントロールセンターでの予測なので実際の感覚入力の影響がない
        • 運動のコントロールセンターの予測という観点からはシミュレーション理論と同じであるが身体のエミュレーターがあるところがシミュレーション理論と大きな違いである
  • 運動表象におけるシミュレーション理論
    • シミュレーション理論の根拠となる実験結果は、運動表象の際に多くの運動に関連する領域が活動することと実際の運動をしたときと運動表象の時で同じような部位が多く活動することである
    • また、一次運動野が活性化されていないこともシミュレーション理論を支持している実験結果となっている。つまり、実際に運動するのと運動表象の分岐が一次運動野で行われていると考えられている