アテンションと頭頂葉

今日のpooneilさんのところのエントリで、visual attention絡みの重要テーマが扱われていたので乗っかってみました。既に内容についてはpooneilさんが詳しく説明されているので、冒頭にそれぞれのPubMedへのリンクのみを貼っておきます。

さて、TriesmanとItti & Kochの論文を除くと実はどれもnhpの研究です。Humanではできないのか?と言われそうですが、この辺のsaliency codingに関する観測データというのはどうしてもneuronレベル(もうちょっと正確に書くとreceptive fieldレベル)でしか捉えられないもので、とてもじゃないですがfMRIERP、MEGなんかでは無理といっても過言ではないでしょう。そこまで巨大なpopulationにまたがってcodingが行われているとは考えにくいというのもあります。

そこで、何とかhumanでも「それっぽいもの」を見つけられないのか?という動きが出てきます。この流れに沿って出てきたのがSereno, Pitzalis & Marnitez (Science, 2001)のIPSにおける’saccadotopy’やSilver, Ress & Heeger (J. Neurophysiol., 2005)のこれまたIPSにおける’attention-related topology’、そしてHagler & Sereno (NeuroImage, 2006)のPrCeS-IFSにおける’WM spatial map’などの研究なのでしょう。とはいえ、これらの論文を見ればすぐわかる通りsaliencyがどう表現されているかを捉えたとは言いがたく、まだまだ発展途上のテーマといえます。