伝統的な「選好理論」の枠組みで「誘惑の持つメカニズム」を表現することは、待望されていたことなのだが、長い間その方法が見つからないで来た。ところがつい最近、その困難が突破されたのである。それは、プリンストン大学のGulとPesendorferという二人の経済学者が、Econometricaという雑誌に2001年に発表した共著論文「Temptation and Self-Control」によって与えられた。