情報産業とは何か? [梅棹忠夫]

情報の文明学 (中公文庫)

情報の文明学 (中公文庫)

  • 情報産業論再説
  • 工業の変質p136
    • 工業化こそがは近代化であると信じられているが、近代工業は粗雑なものに過ぎない。
    • 工業生産の大部分はフィードバックのシステムを持っていない。結果は知らずにどんどん作っているだけで、どれだけどのように消費されているかというデータをあまり持っていない
    • 人間というものは個別的に要求が違い、品物を使う状況も違うにもかかわらずである
    • それが最近では、情報化がすすみフィードバック組織が確立して工業自体が非工業的なものに移行し始めている
  • イデオロギーp138
    • 工業化イコール近代化の時代は過ぎ、脱工業化イコール近代化、現代化、あるいは未来化である。
    • 農本主義が日本の近代化に反動的役割を示したように、工本主義もまた反動イデオロギー化する恐れがある
    • 例えば、すこし不況になれば、まず宣伝広告費をけずるというのは、従来の工業的発想法の考えである
    • これが逆転すると思う。広告宣伝がまず根幹にあって、それに応じてそれにあうようなものを作っていく時代が来る。

広告に関しては、よくわからないが、情報のほうがものよりも価値が大きくなるというのは非常に納得できる。ただし、価値が大きくても今のところ対価はむずかしい。このあたりが工業が反イデオロギーになっているということなのだろう。