人間の本性とは何か?[スティーブン・ピンカー]
人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (上) (NHKブックス)
- 作者: スティーブン・ピンカー,山下篤子
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2004/08/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 第三章 ゆらぐ公式理論
- アカデミズムの壁が崩れる
- リンゴを地面に落下させる力と月を天空の軌道上にとどめている力が同じであることをニュートンが示し、天界と地上との間にあった壁を破った
- 地球の地形は今日の私たちが目撃している力(地震、侵食作用など)がとてつもなく長い年月にわたって作用した結果としてできたことをチャールズ・ライエルが示し、創造がおこなわれた過去と静的な現在との壁を破った
- 人体は水力学その他の機械的原理によって動く一つの機械であることをウィリアム・ハーヴィーが示し、生物と無生物の壁も破った
- ダーウィンは、生命の驚異的な多様性と、あたかも神によってデザインされたしるしのように見えるものが複製子の自然淘汰という物理過程によって生じることを示した
- メンデルとワトソンとクリックは、その複製そのものが物理的に理解できることを示した
- 物質と精神、物質的なものと霊的なもの、身体と精神、生物学的要素と文化、自然と社会、自然科学と社会科学、人文科学や芸術などが壊れた
いまでは非常識だと思われるが、その時代にはあたりまえだった常識がしっかりと存在する。と考えると、いまでもまだまだ疑うべき常識があるのだろう。さてさてそれは何かな?
- 今から壊れる壁
- 生物学的要素によってあたえられるブランク・スレートと、経験や文化によって書きこま得る内容
- 自然状態にある野蛮人の高貴さと、社会制度の腐敗。
- 逃れえない法則にしたがう機械と、自由選択をし、自由に人間の条件を改善する幽霊。
- 四つの知のフロンティア(心、脳、遺伝子、進化の科学)からでてくる新しい考えが、人間の本性についての新しい理解をともなって、この壁を破る
ネットワークの科学も進化の科学同様新たな洞察をあたえると思う