人間の本性とは何か?[スティーブン・ピンカー]

人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (上) (NHKブックス)

人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (上) (NHKブックス)

  • 第三章 ゆらぐ公式理論
  • 認知革命(生物学と文化をつなぐ)の五つのアイディア
    1. 心の世界は、情報、計算、フィードバックという概念によって物理的世界にもとづかせることができる
    2. 心はブランクスレートではありえない。ブランクスレートは何もしない。人間の心は標準装備を備えている。(ただし、標準装備にも幅があり、概念はすべて生得的であるかもしれないという人々と、比較的単純なコンピューターモデルを組み立てて、それを徹底的に訓練するコネクショニストがいる)
    3. 無限範囲の行動は、心の有限の組み合わせプログラムから生じる(言語行為は創造性と多様性のある行為の典型)
    4. 諸文化の表面的な多様さの根底に、普遍的な心の機構が存在する可能性がある(普遍的なパターンからバリエーションを抽出すると、データが整理されるだけでなく学習を可能にする生得的な回路についての手がかりも得られる。ルールの普遍的な部分が神経回路に体現されていて、最初に言葉を覚えるときにそれがガイドをすると考えれば、子供たちが指導なしでいとも簡単に、また一様に言葉を学習する仕組みを説明できるかもしれない)
    5. 心は相互作用をする多数のパーツから構成される複雑なシステムである。(人間はプログラムさてれいるから融通性のある振る舞いをする。人間の心には組み合わせ方式のソフトウエアがたくさんあって、思考や行動を際限なく生み出すことができる。行動は文化によって様々かもしれないが、行動を生み出す心のプログラムのデザインは様々である必要はない)