人間の本性とは何か?[スティーブン・ピンカー]

人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (上) (NHKブックス)

人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (上) (NHKブックス)

  • 第五章 ブランクスレートの最後の抵抗
  • 脳はいかにつくりあげられるか
    • まったく同じ細胞でできた塊がどのようにして機能する器官に分化するのか
      • あるゲノムは、ゲノムの中のほかの遺伝子からなる環境を含めて、環境のあらゆる細部を予測することはできない
      • 全体としての生物個体が、物理的および社会的環境などの変動にかかわらず適切に機能することを保障する適応的な発達プログラムを規定しなくてはならない
      • 身体発達のメカニズムは、変化にとんだ環境が変化に富んだ器官を形成するようにはデザインされていない。話は反対で、環境が変化に富んでいるにもかかわらず、自分の役割をきちんと果たせるような一定の期間が発達することを保障する
      • 脳の活性化は脳を形成しているのではない。ある神経回路を脳のどこに作るべきかをゲノムに知らせているに過ぎない
      • ゲノムは限られたリソースであり、遺伝子は進化的時間を通して絶えず突然変異しているし、自然淘汰はよくない遺伝子をゆっくりとしか排除できない。自然淘汰で維持できるのはあまり大きくないゲノムだけだと考えている
      • 複雑な脳のための遺伝子プランは、脳の適切な発達や動きに支障のない範囲で、最小限のサイズに圧縮されなければならない。ゲノムの半分以上は主に脳で働くか、完全に脳だけで働いているのだが、それでも脳の結線図を規定するのにまるっきり足りない

細胞から見れば分化だが、器官から見ればアグリゲーション。。。
遺伝子は青写真というより、メタ青写真ということだろうか。このメタ青写真と環境によって器官は形成されるのだろう。

企業にこのアナロジーを適応するならば、基本的な組織はメタ青写真としてつくりながら、市場環境に応じてある範囲内で変化するようにデザインしておくと企業は役割を果たせるということだろうか。