サーチと脳

 バテル氏の『サーチ』は、検索がいかに人工知能(AI)の夢に向けた技術を推し進めているかを示している。同氏は、検索エンジンアルゴリズムが不意に変更されることで、多くの中小企業が成功したり倒産したりする状況を説明している。また、非営利団体とブロガーと企業が、組織化されていない共同体を形成し、分散化された民主的かつデジタルな形で世界規模の巨大図書館を再構築している様子を詳述している。
 「検索はもはや、1つだけ切り離してとらえうるアプリケーションではなく、ワールドワイドウェブで何かを探すための有用だが非人格的なツールでもない」とバテル氏は書いている。「自分自身と世界を、また世界における自分の位置を理解するための仕組みとして、検索はわれわれのうちにますます組み込まれていく。検索は、人間の文化の原動力となる無限の資源――すなわち、知識――を操る手段をもたらしてくれるのだ」