Web2.0と脳

 ウェブの基盤はハイパーリンクである。ユーザーが追加した新しいコンテ ンツやサイトは、その他のユーザーに発見され、リンクを張られることによっ て、ウェブの構造に組み込まれる。脳のシナプスのように、これらのつながり は反復と刺激によって強化され、ウェブユーザー全体の活動に応じて、有機的 に成長していく。
 最近、大きな注目を集めている「del.icio.us」や「Flickr」のようなサイトは、「folksonomy」(分類学を意味する「taxonomy」の対語)と呼ばれる概念の先駆者である。Folksonomyとは、大勢のユーザーが自由なキーワード(一般に「タグ」と呼ばれる)をデータに付加することによって、データをゆるやかに分類していく手法である。従来の厳密な分類方法と異なり、タグを利用すれば、脳と同じような、複合的で重複した関連づけを行うことができる。たとえば、Flickrに投稿された子犬の写真に「子犬」と「かわいい」というタグを付ければ、その他のユーザーはそのどちらでも、自分の思考に合った方のキーワードで、この写真を見つけることができる。

 Web2.0の中で、脳とのアナロジーに関する言及があるというのは非常に興味深い。ただ、アナロジーとして扱う内容がいささか古めかしいのが残念ではあるが。。。