体の一部となるテクノロジー

インタビュー

トム・オースティン(以下「オースティン」):

アンディ・クラークは『Natural Born Cyborgs(=生まれながらのサイボーグ)』という自著の中で、人間はテクノロジを吸収し、頼り、「natural self-extensions(= 自分の延長、自身の体の一部)」にしてしまうと書いています。テクノロジを自分の能力として取り入れてしまうのです。たとえば、野球のバット。練習を重ねるにつれ、腕の延長のように扱うようになります。そして腕時計。「今何時か分かりますか?」と聞かれて、「はい、腕時計を持っていますから」と答える人はいないと思います。自然に腕時計を見て、時間を伝えるでしょう。

すでに体の一部となっているテクノロジにはどのようなものがありますか?

レイ・オッジー(以下「オッジー」):

私の頭にすぐ思い浮かぶのは Google です。つい先日も、Google がどれほど体の一部になっているかという話を妻としていたところです。幼稚園の同窓会で、妻の友人が「今頃、○○ちゃんはどうしているんでしょうね」と言っていたのを聞き、私は数分後にラップトップを見せながら「この人じゃないですか?」と聞きました。彼女は画面を見て「(そんなことができるなんて)ちょっと怖いくらい」と言っていました。