経路依存性(path-dependency)

先例主義の科学
人間や組織、政府、社会が、過去の選択、経験や歴史的背景、学習といったものによって、現在の選択が制約を受ける現象を経路依存性(path-dependency)という。この過去の制約が、経済学や政治学、組織理論などの分野でシステマティックに研究されはじめたのは、それほど昔のことではない。今回のコラムでは、この経路依存性に関連した、モーメンタム(organizational momentum)の考えを紹介していく。

私の場合は、「短期的(数週間)には継続し、長期的(数年)には変化する」というのがモーメンタムなんだろう。

「組織は問題解決のために使うコストを常に削減しようとしている」という前提を立てておきます。一般的な問題解決法として、問題発見→選択肢のリストアップ→選択肢それぞれの吟味→最良の選択肢の決定、のプロセスがありますが、このプロセスを、組織が直面する1つ1つの問題に適応していくことは、あまりにも意思決定のために使うコストが高くなりすぎ、不可能です(これをサーチ・コストといいます)。このサーチ・コストを安くするために、同じような問題が発生したときは、同じ方法で対処しましょう、その方がサーチ・コストが安くていいよね、という考えが組織内のルーティンを発生させます。そして、問題解決のルーティン化がモーメンタムを引き起こすと考えられます。

前提を問題解決と置くから官僚的になるのであろう。もし前提を市場創造とおけば、まったく変わってくると思う。