リソースの限界

1972年にローマのシンクタンクであるローマ・クラブが発表した『成長の限界―ローマ・クラブ人類の危機レポート』と同じようなことが、現在、脳で起こっているということです。当時考えられていた“経済成長というものは無限に続く”というシナリオは、“人類の経済活動の基礎となる天然資源を提供し、経済活動の過程で出る廃棄物を受け入れる「自然」というもののキャパシティが無限であること”を前提にしていたものであったのに対し、ローマ・クラブのレポートは“地球の自然には限界があり、それを超えては成長できない”というものでした。

ローマ・クラブの「成長の限界」の最悪のシナリオについては、実は、我々は既に克服できているんです。そしてその要因となったのが、“情報”という経済成長のセグメントでした。なぜなら、情報は仮に100倍の情報を処理したとしても、エネルギーも同じように100倍使うわけではありません。エネルギーをそれほど使わなくても、情報の処理能力をどんどん高めていくことができるのです。それが成長の源泉になったことによって、克服できたというわけです。

限られたリソースをどのように活用するかという際に、一つは活用する方法をかえることであるが、もう一つはこの話のように活用する物を変えるという方法もあるということだろう。